正直、ちょっとびっくりしました。モーニング娘。12期メンバー・尾形春水ちゃんの卒業発表。
個人的には年齢的にも飯窪春菜ちゃんあたりがそろそろ卒業なのかな、と思っていたので…。
でも内容を読めば、進学のため、ということでそうかそうか、という印象。
1年浪人しながらも一生懸命勉強した、ということで、今までお疲れ様!これからも頑張ってね!ありがとう!!という思いでいました。
が、ネットでちらりと見たのは「なんのためにはーちんはモー娘。に入ったんだよ」という、意見。
まあ確かに、鈴木香音ちゃん・工藤遥ちゃんのようにセンターをゲットしたわけでもなく、「はーちん成長したあああああ!!!!」というのが(もちろんそれなりにはあったけど)如実にわかったわけでもなく。
これといった分かりやすい爪痕を残したわけではなかった、といっても過言ではないかもしれません。
更に在籍年数もどちらかと言えば短めで、そういったところからも「モーニング娘。が嫌ならオーデなんて受けなければよかっただろ!」というのに、結びつくのかもしれません。
まあきっと「はーちんいなくなるなんて寂しいよお;;」とかいう思いから出た意見だとは思うので、別にそれを批判したりするつもりはないのですが、ふとそこで。
アイドルのゴールって、どこにあるんだろう。って思ったんです。
一生続けられないのが、アイドル。男性アイドルだと40代、50代はそこそこいますが、女性はほぼゼロ。もちろん、40代、50代でやっている方もいらっしゃいますが、どこかでアーティスト路線にかわったり、もしくは「昔懐かしい企画」にアイドル風衣装で呼ばれたりという程度ではないでしょうか。
そんな中で、彼女たちは何を目指し、どこに向かって身と心を削っているんだろう、と思ったんです。
例えば、分かりやすい目標があればいい。「センターをとる」「オリコンで1位になる」「武道館でライヴをやる」「紅白に出る」。
そしてそれを明言して、それに向かって努力して→叶って→(その後また新たな目標を立てて努力を繰り返し)卒業というのが、彼女たちの歩く道筋なのでしょうか。
それとも、アイドルとはモラトリアム期間でその間に別の夢や目標を見つけ、卒業していくというのが道筋になるのかな。
ここ最近のアイドルの卒業理由というのは、後者が多いと思うんです。「女優になりたい」「福祉のお仕事につきたい」「もっとダンスを磨きたいから留学する」エトセトラ。
もちろん、別に彼女たちが「とりあえずアイドルやって、やりたいこと考えよっと☆」という、とりあえず大学行くみたいな人間たちのように、生半可な気持ちでアイドル業をやっているわけではないと思います。
アイドルを必死にやって、頑張っていく中でやりたいこと、進みたい道を見つけたということは非常にすごいことだと思う。(もちろん、そんな風に大学生活に必死に打ち込んでいる方々を非難する気もありません)
でも、それっていったい何なんだろうって思うんです。
例えば人生が壮大な道だとしたら、アイドルという職業はどこに位置するのか。
単純なレールの一部として存在するのか、そこの部分だけ例えば宙に浮いているような少し異次元空間的な存在なのか、あるいはレールの横に置いてある、その後の人生をすべて塗り替えるような、巨大なペンキバケツのような存在なのか。
今のモーニング娘。はぐんぐんと知名度も上がってきました。一時に比べるとテレビ出演も増えてきたし、ハロプロ全体も底上げされてきたな、と思います。
ただ、彼女たちの今の向かうゴールというのがどこにあるのかは、イマイチ見えてこない。
目の前のライヴや新曲を完成させることがゴール?
売り上げをアップさせることがゴール?
テレビでレギュラーとることがゴール?
それが明確になっていない状態で、まだ道のり半ばの位置にいるように見えた状態の尾形春水ちゃんが卒業を発表した、ということでファンとしては「なんか中途半端だなあ」なんて思ってしまうのかもしれません。
道重さゆみちゃんが卒業した時には、やはり「成し遂げた!」という感じもして、まさにゴール、という状態でした。
後輩を育て、知名度を上げ、テレビ番組でも爪痕を残した。
そんな道重さゆみちゃんには「はっきりとした目標(ゴール)」があった。「あの時みたいなモーニング娘。の勢いを取り戻したい!」「後輩たちには、プラチナレベルまで成長してほしい!」そんな目標が。
それは(もしかしたら事務所が言ったことかもしれないけれど)彼女自身が考えた彼女なりの「アイドルのゴール」だったと思うんです。
今のハロプロをはじめとしたアイドル達で、自分でゴールを描ける子たちが何人いるんだろう。と思います。
「もっと、もっと!」そう思える子たちが、どれだけいるのか。
と同時に、たとえ「アイドルが腰かけ状態」でも構わない、と思う自分がいる。何故なら、「一生アイドル」でいられる世界ではないから。
50代になっても「彼氏は、ファンのみなさんでーす♡」というアイドルを応援するファン、いる?
70代になったアイドルとチェキ撮って、握手会に並ぶファン、いる?
あの松田聖子さんをはじめ、昔の「アイドル」と呼ばれてる人たちも、次のステージに進んでる。
「アイドル」以外の肩書(例えば妻だったり母であったりということも含めて)を手に入れている。
そう思うと「24時間アイドルのことだけ考えろ!!余計な事考えるんだったらオーデなんか受けてんじゃねーよ!!」なんて言う意見は…うん。まあ、批判しませんと言ったからには批判しませんが。
前に相川茉穂ちゃんのことをつづった記事でも少し触れましたが、アイドルは「未来」を描いちゃいけない職業、というのが私の持論なんです。
「今」「この瞬間」かわいい子たち。刹那的な存在が、アイドル。
そして、ファンの前以外、つまりは「アイドルという職業の営業時間外」では何をしていても(それこそ受験勉強していても)全く問題ない。
誰が転職する人を責めますか。
誰が脱サラして仕事を始める人を責めますか。
勤務時間外に夢のために勉強した人は、称賛に価するではありませんか。
アイドルだって、同じこと。
忙しい合間を縫って受験勉強をした尾形春水ちゃん。
そんなはーちんは、やっぱりとってもカッコイイし、それでいてアイドル業も手を抜かなかったし(ブログもきちんとあげてたし、パフォーマンスも別に問題なかった。男性問題もなかった)無言実行でやり遂げて、本当にすてきだったと思う。
アイドルと受験勉強を両立させて、進学する。という、尾形春水ちゃんのアイドルとしてのゴール。
道半ば、という意見もあるかもしれないけれど、尾形春水ちゃんにとっては素敵なゴールだったと私は思います。
私なんぞが上から目線で言うのは絶対におかしいですが、他のメンバーももう一度、自分にとってのゴールを探してみてほしいなって思います。
はーちん、今までお疲れさまでした!!!
アイドルとしてはゴールだけど、人生はまだまだ。
まだまだたくさんのゴールを探してみてね!!